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石垣島の星空保護区は、本当に「星が綺麗な場所」なのか?暫定認定の現実と現地の実態

Milky Way reflected in dam water at Ishigaki Island, near Nagareboshi no Oka stargazing spot

「石垣島は星空保護区だから、きっとどこでも満天の星が見えるはず」——石垣島に来るお客様の多くがそう期待して島を訪れます。しかし10年間、石垣島で星空ツアーを案内してきたガイドとして、この誤解に向き合い続けてきました。

結論から言います。石垣島の「星空保護区」認定は現在も暫定認定のままであり、保護区内のすべての場所で美しい星空が保証されているわけではありません。

目次

「星空保護区」=どこでも綺麗な星空、ではない

国際的な暗空認定機関「DarkSky International(旧:国際ダークスカイ協会)」が認定する星空保護区(ダークスカイ・サンクチュアリ)は、一定の基準を満たした暗い夜空を持つ地域に与えられます。石垣島の認定区域は西表石垣国立公園の範囲と重なっており、竹富島や西表島東側など、石垣市街地の光害の影響を受ける地域も含まれています。

つまり、「認定エリア内だから必ず暗い」とは言えないのが現実です。光害は認定の有無に関係なく、光源からの距離と地形によって決まります。

暫定認定のまま——その理由

石垣島の星空保護区認定は、現在も正式認定には至らず暫定認定の状態が続いています。これは保護区エリア内の一部地域が夜間の光害基準を完全にクリアできていないことが一因と考えられます。

石垣市街地は島の南部に集中しており、その光は夜空を明るく照らし続けています。国立公園という指定があっても、市街地や漁港・リゾートホテルの光が消えるわけではありません。保護区の名称だけが先行し、実態の整備が追いついていない部分があるのが正直なところです。

平久保半島自治協議会の取り組み

こうした状況の中、地域の自主的な取り組みとして平久保半島自治協議会(5つの自治会により設立、会長:新垣信成)が独自の光害対策・環境保護活動を続けています。環境省・石垣市・警察・八重山ビジターズビュローとの連携のもと、新規リゾート開発企業に対しては「平久保半島憲章」に基づく光害対策を書面で通達するなど、現場レベルでの保護活動を積極的に進めています。

しかし路上駐車問題は現在も増加中であり、街灯がほぼない県道に観光客の車が深夜に路上駐車する状況は、安全面でも環境面でも深刻な課題です。

では、石垣島で本当に綺麗な星空が見える場所は?

保護区の認定エリアの中でも、特に暗い夜空が期待できる場所とそうでない場所があります。市街地からの距離、地形による光害の遮断、周辺の開発状況——この3つの条件が揃う場所ほど、質の高い星空体験ができます。

石垣島の中でこれらの条件を最も高いレベルで満たしているのが平久保半島です。市街地から40〜50km以上離れ、於茂登岳が光害を遮断し、西表石垣国立公園に指定されたエリアでリゾートホテルが1件も存在しない、360度視界が開けた高台——流れ星の丘はまさにその中心に位置します。

「星空保護区だから星が見える」のではなく、「光害のない暗い場所だから星が見える」のです。この違いを理解することが、石垣島での星空体験を成功させる最初のステップです。

星空観測の質を左右する本当の判断基準

夜、空を見上げて雲が浮かんでいたとき、その雲は何色に見えますか?光害のある場所では雲はオレンジ色や白色に光って見えます。本当に暗い場所では、雲は宇宙から降り注ぐ星々の淡い光を遮るため、黒く見えます。

Woman sitting in grass field gazing at the starry sky at Nagareboshi no Oka, Ishigaki Island

上の写真を見てください。この写真は夜見える雲の色についてとてもわかりやすい写真になっています。右側に見える白い雲、これが石垣島市内の光を反射して白く見える雲です。そして左側に見える黒い雲これが本来の夜の雲です。

この2つの雲を比べると明らかな空の色の違い、星の見え方が全然違うということが一目でわかります。

写真の右側を見て欲しいのですが、雲は多少ありますが、雲を越えて星が輝いてみるのが良く分かる思います。光害が全くない場所ではこのように多少雲があっても雲の色が黒く見えるため、その後ろの星が煌々と輝き、綺麗な星空を眺めることができるのです。貴重な環境を守っていくことこそが、私たちの使命だと思っています。

つまり、雲の色を観察する——これが、星空観測のプロが使う最もシンプルな暗さの判断基準です。石垣島に来たなら、ぜひ空の雲の色を確認してみてください。

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