「石垣島で星を見たいけど、どこに行けばいいか分からない」——島外から来るお客様の多くがこの悩みを抱えています。インターネットで検索すると観光サイトのスポット紹介がたくさん出てきますが、実際に夜間に何度も足を運んで確認した情報は少ない。
10年以上、石垣島の北部・平久保半島にある流れ星の丘で星空ツアーを案内してきたガイドとして、島内の主要スポットすべてで星空を観測した経験をもとに、正直な情報をまとめます。「できるだけ自分で行きたい」という方にも役立てるよう、アクセス情報も添えています。
まず大前提:市内から離れるほど星空の質が上がる
石垣島の市街地は島の南部にあります。光害(人工の光による夜空の明るさ)は光源からの距離と地形によって決まるため、市街地から離れ、地形的に光が遮断される場所ほど暗い夜空が期待できます。
目安として使える判断基準があります。夜空に雲が浮かんでいるとき、その雲の色を観察してください。光害のある場所では雲はオレンジや白に光ります。真に暗い場所では、雲は宇宙の星々の淡い光を遮るため黒く見えます。雲が黒く見える場所——それがあなたの求める星空がある場所です。
石垣島の主要星空スポット
① 玉取埼展望台(たまとりざきてんぼうだい)
| 場所 | 平久保半島入口・石垣島北部 |
| 市内からの距離 | 車で約35分 |
| 駐車場 | あり(大型) |
| トイレ | あり |
| 自販機 | あり |
| 星空環境 | ★★★★☆ |
平久保半島の入口に位置する展望台で、アクセスが比較的容易なため星空観測の入門スポットとして多くの方が訪れます。駐車場は広く街灯がありますが、展望台までの道は一切街灯がないため懐中電灯は必須です。東側が海に面しており、時期になると昇ってくる天の川がよく見えます。ただし南側は集落の光が少し気になる点に注意。平久保半島の先端に比べると光害はやや多めですが、初めて石垣島で星空を見る方には好条件のスポットです。
② 平久保半島の先端方面
| 場所 | 石垣島最北端・西表石垣国立公園内 |
| 市内からの距離 | 車で約50〜60分 |
| 駐車場 | 限られる(路上駐車問題あり) |
| トイレ | 限られる |
| 星空環境 | ★★★★★ |
石垣島で最も暗い夜空が広がるのがこのエリアです。市街地から40〜50km以上離れ、於茂登岳が光害を物理的に遮断します。周囲はすべて国立公園のため開発がなく、リゾートホテルも1件も存在しません。視界を遮るものがない開けた高台から見上げる夜空は、文字通り360度の満天の星です。流れ星の丘はこのエリアに位置しており、ツアーガイドの管理のもとで安心して星空観測ができます。
③ 御神崎(ごんなざき)・崎枝付近
観光灯台でも知られる御神崎は星空スポットとして紹介されることがあります。しかし正面に石垣島漁協付近の大きな光が海面に広く反射するため、個人的にはお勧めできません。漁船の集魚灯が加わると海面がオレンジ色に見えることもあります。写真撮影目的なら灯台の光を活用する独自の撮影が可能ですが、純粋に暗い星空を楽しみたい方には向きません。
④ 底名溜池(そこなためいけ)付近
周囲を山に囲まれているため市街地の光害をある程度ブロックできますが、同じ山が視界も制限します。地平線から約30度以上の範囲でしか星が見えないため、天の川全体や南十字星の出入りを楽しむことは困難です。人物と星空を一緒に撮影する際もシルエットが背景と同化しやすく、フォトグラフィーの観点からも難しい場所です。
⑤ 川平湾・米原ビーチ周辺
市街地から北側に離れた自然豊かなエリアですが、リゾートホテルや別荘が多く人工の光が多い環境です。南側は於茂登岳に遮られ天の川の見える角度が狭くなります。県道の街灯も多く、純粋な暗天環境とは言えません。
⑥ 明石集落(あかいし)周辺
島の東側に突き出た地形のため南の空がわずかに開けており、南十字星の観測も可能な隠れスポットです。市街地から距離があり比較的暗い夜空が期待できますが、平久保半島の先端には届きません。南十字星を見たい方には候補の一つです。
自分で行く際に注意すること
ハブへの注意
平久保半島にはハブが生息しています。特に4月〜10月は夜行性のハブが活発に活動します。草むら・側溝・茂みには絶対に近づかないこと、懐中電灯で足元を常に照らすことが鉄則です。カエルが多く出る雨上がりの夜はハブも出やすくなります。
私有地・牧草地への立入禁止
平久保半島には石垣牛の牧草地が多くあります。収穫後の牧草地は開けた広場のように見えますが、私有地であり無断立入は厳禁です。また牛の糞や穴、ハブなどの危険もあります。
路上駐車と夜間運転
平久保半島の県道には街灯がほぼなく、夜間は完全な闇の中での運転になります。スピードは控えめに、ハイビームで慎重に走行してください。また路上駐車は増加中であり、地域の自治協議会や石垣市・警察からも問題視されています。指定の駐車場を利用してください。
月の影響
月が出ている夜は月明かりで星が見えにくくなります。特に満月前後は影響が大きく、天の川の観測が難しくなります。新月前後の月が出ていない時間帯を狙うのが理想です。
まとめ
石垣島で最高の星空を見たいなら、迷わず平久保半島を目指してください。距離の分だけ光害は消え、地形が光を遮り、開けた視界が360度の宇宙を見せてくれます。自分で行くのが不安な方、本物の満天の星空を安全に体験したい方には、ガイド同行の星空ツアーの利用もおすすめです。

