2025年8月 石垣島星空観測徹底ガイド!月出入りカレンダー入り

石垣島へのご旅行を計画中の皆さん、こんにちは!この記事を書いているのは、石垣島の市内から遠く離れた平久保半島で、10年にわたり、人工の光が一切ない環境で星空観測を行える唯一の場所、「流れ星の丘」を運営し、星空ツアーの企画・運営を行なっている、地元出身の新垣信成(あらかき のぶなり)です。

2024年には平久保半島でリゾート開発の計画申請が多数提出されていることに危機感を覚え、平久保半島内の全ての自治会を網羅した「平久保半島自治協議会」を地元の公民館長さんと若い仲間で共に立ち上げました。地元の人々と共に、平久保半島の貴重な星空資源と豊かな自然環境を守り、1000年後もこの場所で「濃くて太い天の川」が見られるよう活動しています。

8月の石垣島といえば青い空!青い海!白い砂浜!ですよね?しかし、島んちゅうの僕からすると、夜空に広がる星の絶景もまた格別です。たとえ普段星空に興味がない方でも、この時期の石垣島でしか体験できない、感動の星空をぜひ体験してほしい!そう強く願っています。この記事では、2025年8月の石垣島の星空の魅力と、最高の星空体験をするための秘訣を徹底的にお伝えします。

8月は天の川が縦に長いのが特徴!日本一の天の川を石垣島で

「星空を見るなら冬」と思っていませんか?本州では冬の空気が澄んだ時期に星空が綺麗に見えるイメージがありますが、石垣島の星空の「旬」は、実は7月から9月なんです!この時期の石垣島は、晴天率が非常に高く、さらに偏西風の範囲から外れているため、驚くほどクリアな天の川を観測することができます。

特に8月の天の川は、南の空から天頂を通り、北へと非常に長く、ダイナミックなアーチを描くのが特徴です。7月の横たわる強大な天の川も圧巻ですが、8月の縦に大きく伸びる天の川もまた格別。石垣島の緯度が低いからこそ、本州では見られないような、ほぼ真上まで昇ってくる壮大な天の川のアーチを体験できます。この時期にしか見られない、まさに「日本一長い天の川」は、石垣島でしか味わえない感動です。

七夕というと7月7日をイメージする方も多いですが、これは新暦の日付です。本来の七夕は旧暦で行われ、旧暦の7月7日は新暦では8月頃にあたることがほとんどです。例えば、2025年の旧暦の七夕は8月29日です。この旧暦の七夕の時期に、天の川が最も輝きを増し、よりはっきりと見えることから、古くからの人々も8月の天の川の美しさを知っていたのかもしれませんね。

ただし、「石垣島ならどこでも濃くて太い天の川が見える」というのは誤解です。石垣島の南側、市街地周辺(石垣島天文台やバンナ公園など)は街明かりの光害が強いため、肉眼で天の川をはっきりと見るのは難しいでしょう。また、川平湾がある北西部も、リゾートホテルが多く点在しているため、人工の光に溢れ、肉眼での天の川観測には不向きです。

石垣島で最も濃くて太い天の川が見えるのは、「流れ星の丘」がある平久保半島です。なぜ平久保半島が特別な場所なのかというと、その大半が国立公園、つまり「星空保護区」に指定されており、人工の光が極端に制限されているためです。さらに、平久保半島の地形は細長く、市街地と平久保半島の間には沖縄県で最も高い於茂登岳があるため、市街地の光害の影響を受けにくい、非常に貴重な場所となっています。

平久保半島の夜の暗さは、世界的に見ても稀有なレベルです。世界的に星空観光地として有名なハワイのマウナケアやニュージーランドのテカポよりも暗い夜の暗さを測る数値が計測されており、まさに「奇跡の暗闇」がここにあります。この最高の環境で、ぜひ本物の天の川を体験してください。

2025年8月の注目天文イベント:ペルセウス座流星群は必見!

2025年8月も、石垣島の夜空では様々な天文イベントが期待できます。特に注目すべきは、夏を代表するペルセウス座流星群です!今年のペルセウス座流星群は月が大きいですが、時間を選べば月明かりがない闇夜で見ることが可能です。是非下の月出入り時間を参考にしてください。

  • ペルセウス座流星群(極大:8月13日頃) 夏の風物詩として知られるこの流星群は、毎年安定して多くの流れ星を見せてくれることで有名です。8月13日頃に活動が極大を迎えますが、前後数日間は多くの流れ星を期待できます。流れ星の丘から見るペルセウス座流星群は、まさに感動の体験です。人工の光が皆無の環境なので、都会では見えないような微かな流れ星も捉えることができ、まるで星が降り注ぐかのような光景を目にすることができるでしょう。月明かりの影響が少ない夜を選べば、一晩に数十個、多いときには100個以上の流れ星が見えることもあります。願い事をする準備をして、夜空を見上げてみてください。
  • 惑星の動き 8月は、夜空の早い時間帯には宵の明星である金星が西の空に輝き、観測しやすいでしょう。また、明け方の東の空には、土星や火星が観測できます。肉眼でも明るく輝く惑星は、見つけやすい天体なので、ぜひ探してみてください。
  • その他 月の近くに惑星が接近する現象や、国際宇宙ステーション(ISS)の通過なども見られる可能性があります。日によって見え方が変わりますので、最新の天文情報もチェックしてみてください。

8月に石垣島で見どころの星座たち

石垣島の夜空では、本州では見られないような南の国の星座や、馴染み深い星座もより壮大に輝いて見えます。8月に特におすすめの星座をいくつかご紹介します。

  • わし座 夏の大三角を形成する星の一つ「アルタイル」が輝く星座です。天の川を挟んでこと座のベガと対峙するように位置し、夜空を力強く飛ぶワシの姿を想像させます。アルタイルは地球からわずか16.7光年と比較的近い距離にあるため、とても明るく見えます。
  • こと座 夏の大三角を形成するもう一つの明るい星「ベガ」が輝く星座です。天の川のほとりに位置し、織姫星としても親しまれています。ベガは青白い光を放つ美しい星で、天の川とのコントラストが息をのむほどです。
  • かみのけ座 この星座は、肉眼で見つけるのが非常に難しい「暗い」星座です。多数の暗い星々が、まるで髪の毛のように繊細に散らばっているため、よほど暗い場所でなければその全貌を捉えることはできません。石垣島の、特に平久保半島のような「奇跡の暗闇」を持つ場所だからこそ、このかみのけ座の繊細な輝き、そしてその背後に広がる銀河の姿をじっくりと観察することができます。都会の光の中では決して味わえない、本物の暗闇が織りなす宇宙の芸術を、ぜひ探し出してみてください。
  • はくちょう座 夏の天の川を縦断するように位置し、大きく羽根を広げた白鳥の姿に見えます。その尾に輝く一等星「デネブ」は、夏の夜空を代表する「夏の大三角」の一つを形成します。はくちょう座の中央には、二重星として有名な「アルビレオ」があり、望遠鏡で覗くと青と黄色の美しい二つの星が寄り添っているのが見えます。天の川の暗黒星雲もはっきりと確認でき、宇宙の奥行きを感じさせてくれる星座です。

遥かなる光の旅:一等星が語る宇宙の物語

8月の石垣島の夜空には、数多くの一等星が輝きます。例えば、さそり座のアンタレス、こと座のベガ、わし座のアルタイル、はくちょう座のデネブなど、夏の代表的な星々が煌めきます。

これらの星々の多くは、地球から数十光年、数百光年といった途方もない距離にあります。「1光年」とは、光が1年間に進む距離のこと。光の速さは秒速約30万キロメートル。想像を絶するスピードですが、それでも1年間で約9兆5千億キロメートルしか進みません。例えば、アンタレスは地球から約550光年離れています。これは、今私たちが見ているアンタレスの光が、今から550年前にアンタレスを出発した光だということを意味します。つまり、私たちが見ている星々は、すべて「過去」の姿なのです。

この壮大な宇宙のスケールは、まるで大ヒット漫画「チ。」で描かれた「地動説」の発見に匹敵するほどの、常識を覆す真実を私たちに突きつけます。かつて人々は、地球が宇宙の中心にあり、全ての天体が地球の周りを回っていると信じていました。しかし、コペルニクスやガリレオたちが地動説を提唱し、地球もまた太陽の周りを回る、広大な宇宙の中の小さな一点に過ぎないという真実を明らかにしました。

私たちが「今」見ている星の光が、実は遥か遠い「過去」からのメッセージであるという事実。そして、私たちが立っているこの地球も、広大な宇宙の中で絶えず動き続けている小さな惑星であるという真実。これらは、まるで宇宙が私たちに語りかけているようです。「あなたという存在は、この無限の宇宙の中で、いかに儚く、そしていかに特別な時間の中に生きているのか」と。

流れ星の丘で、この星々の瞬きを見つめながら、あなたは宇宙の果てしない歴史と、そこに息づく生命の神秘を感じ取ることでしょう。そして、自分が生きている「今」という時間の尊さを、この星空が教えてくれるはずです。さあ、広大な宇宙の時間に思いを馳せ、魂を揺さぶる感動を体験してみませんか?

2025年8月 石垣島 月影響カレンダー

星空観測において、月明かりの有無は非常に重要な要素です。月が明るいと、残念ながら星々の輝きは薄れてしまいます。また、月の出入り時刻も日によって異なりますので、以下に8月の月齢カレンダーを作成しました。ツアー中の21時から22時の時間帯における月の影響を◎、○、△で表記しています。

日付 ツアー中の月の影響 (21-22時) 月齢 月齢イラスト 月の出時刻 月の入時刻 備考
2025/08/01 ○(少し) 7.3 🌓 12:41 23:52
2025/08/02 ○(少し) 8.3 🌓 13:35
2025/08/03 △(大) 9.3 🌔 14:30 00:28
2025/08/04 △(大) 10.3 🌔 15:26 01:09
2025/08/05 △(大) 11.3 🌔 16:22 01:56
2025/08/06 △(大) 12.3 🌔 17:15 02:48
2025/08/07 △(大) 13.3 🌔 18:05 03:46
2025/08/08 △(大) 14.3 🌔 18:51 04:47
2025/08/09 △(大) 15.3 🌕 19:32 05:49 満月
2025/08/10 △(大) 16.3 🌕 20:09 06:50
2025/08/11 △(大) 17.3 🌕 20:44 07:51
2025/08/12 ◎(なし) 18.3 🌖 21:19 08:51
2025/08/13 ◎(なし) 19.3 🌖 21:54 09:52 ペルセウス座流星群 極大
2025/08/14 ◎(なし) 20.3 🌖 22:31 10:53
2025/08/15 ◎(なし) 21.3 🌖 23:12 11:57
2025/08/16 ◎(なし) 22.3 🌖 23:59 13:03
2025/08/17 ◎(なし) 23.3 🌗 14:11
2025/08/18 ◎(なし) 24.3 🌗 00:53 15:17
2025/08/19 ◎(なし) 25.3 🌗 01:52 16:18
2025/08/20 ◎(なし) 26.3 🌗 02:56 17:13
2025/08/21 ◎(なし) 27.3 🌘 04:01 18:00
2025/08/22 ◎(なし) 28.3 🌘 05:04 18:40
2025/08/23 ◎(なし) 29.3 🌘 06:05 19:16
2025/08/24 ◎(なし) 0.9 🌑 07:01 19:48 新月
2025/08/25 ◎(なし) 1.9 🌑 07:55 20:19
2025/08/26 ◎(なし) 2.9 🌒 08:48 20:48
2025/08/27 ◎(なし) 3.9 🌒 09:40 21:18
2025/08/28 ◎(なし) 4.9 🌒 10:32 21:50
2025/08/29 ○(少し) 5.9 🌓 11:25 22:25 旧暦七夕
2025/08/30 ○(少し) 6.9 🌓 12:20 23:03
2025/08/31 ○(少し) 7.9 🌓 13:15 23:47

石垣島 月影響カレンダー要約(ツアー時間:21時~22時)

上記のカレンダーを要約すると、8月の「流れ星の丘」での星空ツアー(21時~22時)における月の影響は以下のようになります。

月の影響 期間
◎(なし) 8月12日~8月28日
○(少し) 8月1日~8月2日、8月29日~8月31日
△(大) 8月3日~8月11日

※この要約は、ツアー時間の21時から22時の観測に限定されます。

△の日でも、月齢5から12の間は、夜中から明け方にかけて月の入りがずれていくため、月が沈んだ後の時間帯を狙えば、◎の条件で素晴らしい星空観測が可能です。例えば、月が沈んだ後の深夜帯や、明け方の空など、月の影響が少ない時間帯に観測することで、さらに多くの星々や天の川を堪能できます。

石垣島で星空観測におすすめの場所

せっかく石垣島に来たなら、最高の星空を観測したいですよね。しかし、石垣島ならどこでも同じように星が見えるわけではありません。以下に、観測地ごとの特徴をご紹介します。

  • 石垣島市内周辺(天文台やバンナ公園周辺):✖️ 残念ながら、市街地の明かりによる光害が非常に強いため、肉眼で天の川をはっきりと見るのはほとんど不可能です。天文台やバンナ公園は日中の観光には良い場所ですが、星空観測には適していません。
  • 川平湾周辺や玉取崎周辺:○ 市内よりは暗いですが、リゾートホテルが多数点在しているため、その明かりが光害となり、天の川は薄くしか見えません。もちろん、市内に比べれば星は見えますが、石垣島本来の星空の美しさを体験するには物足りないでしょう。
  • 平久保半島周辺:◎ 私たちが運営する「流れ星の丘」があるこのエリアは、石垣島で最も星空観測に適した場所です。
    • ほとんどが国立公園=星空保護区に指定されており、人工の光が極端に制限されています。
    • リゾートホテルがほとんどなく、街灯もほとんどありません。
    • 市街地からは直線距離で、なんと波照間島と同じくらい離れており、光害の影響をほとんど受けません。
    • 夜の暗さの数値は世界的に見てもトップレベル。息を呑むような満天の星空と、太くて大きな天の川のアーチを肉眼で体験することができます。

平久保半島で星空を見るなら「流れ星の丘」の星空ツアーがおすすめ!

平久保半島は星空観測に最適な場所ですが、その中でも「流れ星の丘」は、最高の星空体験を提供するために徹底的にこだわり抜いた場所です。

  • 特別な立地: 平久保半島の中でも、特に星空が綺麗に見える条件を満たした場所に位置しています。周囲に人工の光を遮るものがなく、360度見渡せる小高い丘になっています。
  • 人工の光ゼロ: 星空を見るために、観測エリアでは人工の光を完全に排除しています。これにより、肉眼で微かな星の光まで捉えることができます。
  • 快適な設備: 星空観測を快適にするためのリクライニングチェアやハンモック、そして肉眼では捉えきれない星々の姿を拡大して見ることができる双眼鏡や望遠鏡などの設備も充実しています。
  • 経験豊富な専門ガイド: 地元出身の私、新垣信成をはじめ、経験豊富な専門の星空ガイドが、ただ星を眺めるだけでなく、星空の物語や宇宙の不思議を分かりやすく解説し、お客様一人ひとりの心に残る体験を演出します。

私たちは、単に星を見せるだけでなく、石垣島の豊かな自然と共にある星空文化を伝え、お客様にとって忘れられない旅の思い出を作るお手伝いをしたいと考えています。ぜひ、流れ星の丘で、あなただけの特別な星空体験をしてみませんか?

星の丘のツアーを予約する

地動説をリアルに感じてみませんか?

日々の忙しさの中で忘れがちな、地球の息吹や宇宙の広がり。石垣島の満天の星空は、そんな私たちに、立ち止まって自分と向き合う時間を与えてくれます。

この星空を見上げていると、まるで漫画「チ。」の主人公たちのように、私たちが住む地球そのものが、とてつもない速度で宇宙空間を駆け巡っていることを、肌で感じることができるでしょう。一晩のうちに、星々がゆっくりと、しかし確実に位置を変えていく様子は、まさに地球の自転を視覚的に捉えている瞬間です。そして、季節ごとに見える星座が移り変わっていくのは、地球が太陽の周りを公転している、壮大な旅の証。

流れ星に願いをかけたり、天の川の雄大さに心を震わせたり、大切な人と静かに星を見上げたり。石垣島の星空が教えてくれるのは、単なる美しい眺めだけではありません。それは、私たちが「動いている地球」という奇跡の惑星に生きていることを実感し、日常の喧騒から離れて、自分自身と宇宙の壮大なつながりを感じることのできる、豊かな時間です。

今年の夏は、石垣島で、教科書ではない「リアルな地動説」を体感する、一生忘れられない星空体験をしてみませんか?皆様のお越しを心よりお待ちしております。

最新情報をチェックしよう!