2025年9月 石垣島星空観測徹底ガイド!月出入りカレンダー入り

石垣島へのご旅行を計画中の皆さん、こんにちは!この記事を書いているのは、石垣島の市内から遠く離れた平久保半島で、10年もの長きにわたり、人工の光が一切ない環境で星空観測を行える唯一の場所、「流れ星の丘」を運営し、星空ツアーの企画・運営を行なっている、地元出身の新垣信成(あらかき のぶなり)です。

2024年には、この平久保半島でリゾート開発の計画申請が多数提出されていることに危機感を覚え、平久保半島内の全ての自治会を網羅した「平久保半島自治協議会」を、5つの公民館長と地元の若い仲間たちと共に立ち上げました。私たちは、地元の人々と力を合わせ、平久保半島の貴重な星空資源と豊かな自然環境を守り、1000年後もこの場所で「濃くて太い天の川」が見られるよう、熱い想いを持って活動を続けています。

9月の石垣島は、夏の賑わいが少し落ち着き、よりゆったりと島の魅力に浸れる時期です。日中のアクティビティはもちろんのこと、夜空に広がる星の絶景はまさに格別。たとえ普段星空に全く興味がない方でも、この時期の石垣島でしか体験できない、感動の星空をぜひ体験してほしい!そう強く願っています。この記事では、2025年9月の石垣島の星空の魅力と、最高の星空体験をするための秘訣を徹底的にお伝えします。

9月の天の川は少し西に傾いているのが特徴!壮大なアーチを堪能

「天の川を見るなら夏!」というイメージが強いかもしれませんが、9月の石垣島も、その美しさは健在です!この時期の天の川は、少し西に傾きながらも、南西の空から天頂にかけて雄大なアーチを描いているのが特徴です。石垣島は内地よりも緯度が低いため、この時期でも南西に沈む天の川の中心部分を長く見ることができ、その濃密な輝きを存分に堪能することができます。

特に、夏の夜空のシンボルである「夏の大三角」(こと座のベガ、わし座のアルタイル、はくちょう座のデネブ)付近に伸びる天の川は、9月も非常に美しく観測可能です。澄んだ空気に恵まれれば、肉眼でもその白い帯がはっきりと確認でき、まるで夜空に牛乳をこぼしたかのような、神秘的な光景が広がります。

そして、9月の星空は、徐々に東の空に秋の星座が顔を出すのが見どころの一つです。夏の星座との共演を楽しんだり、ひと足先に秋の訪れを星空で感じたりと、季節の移ろいを肌で感じることができます。

ただし、「石垣島ならどこでも濃くて太い天の川が見える」というのは誤解です。石垣島の南側、市街地周辺(石垣島天文台やバンナ公園、空港周辺など)は街明かりの光害が強いため、肉眼で天の川をはっきりと見るのは難しいでしょう。また、川平湾がある北西部も、リゾートホテルが多く点在しているため、人工の光に溢れ、肉眼での天の川観測には不向きです。

石垣島で最も濃くて太い天の川が見えるのは、私たち「流れ星の丘」がある平久保半島です。なぜ平久保半島が特別な場所なのかというと、その大半が国立公園、つまり「星空保護区」に指定されており、人工の光が極端に制限されているためです。さらに、平久保半島の地形は細長く、市街地と平久保半島の間には沖縄県で最も高い於茂登岳があるため、市街地の光害の影響を受けにくい、非常に貴重な場所となっています。

平久保半島の夜の暗さは、世界的に見ても稀有なレベルです。世界的に星空観光地として有名なハワイのマウナケアやニュージーランドのテカポよりも暗い夜の暗さを測る数値が計測されており、まさに「奇跡の暗闇」がここにあります。この最高の環境で、ぜひ本物の天の川を体験してください。

2025年9月の注目天文イベント:流星群と惑星の競演

2025年9月も、石垣島の夜空では様々な天文イベントが期待できます。

  • 9月うお座流星群(極大:9月23日頃) 夏のペルセウス座流星群ほど大規模ではありませんが、9月下旬には9月うお座流星群が活動します。数は多くないものの、暗い空の下では観測できるチャンスがあります。特に、流れ星の丘のような光害のない場所では、都会では見逃してしまうような微かな流れ星も捉えることができるでしょう。
  • 惑星の動き 9月上旬は、日の入り後の西の空に、宵の明星である金星が明るく輝きます。美しい夕焼け空とのコントラストは必見です。また、夜半過ぎから明け方にかけては、土星が南の空で比較的高い位置に見え、肉眼でもその存在感を感じられるでしょう。小型の望遠鏡があれば、土星の環を観測できるかもしれません。
  • その他 月の近くに惑星が接近する現象や、国際宇宙ステーション(ISS)の通過なども見られる可能性があります。日によって見え方が変わりますので、最新の天文情報もチェックしてみてください。

9月に石垣島で見どころの秋の星座たち

石垣島の夜空では、夏の星座が西へ傾き始める一方で、東の空からは秋の星座たちが顔を出し始めます。9月に特におすすめの秋の星座をいくつかご紹介します。

  • ペガスス座 秋の夜空を代表する星座の一つで、翼を持つ伝説の天馬ペガススを象っています。特に、四角形に並んだ4つの明るい星「ペガススの四辺形」は、空を見上げればすぐに見つけることができます。この四辺形は、秋の星座を探す際の目印としても非常に役立ちます。
  • アンドロメダ座 ペガススの四辺形の角から連なるように見つけることができる星座です。この星座には、肉眼でもぼんやりと光の塊として見ることができる「アンドロメダ銀河」があります。アンドロメダ銀河は、私たちの天の川銀河に最も近い大銀河で、約250万光年もの彼方にあるにもかかわらず、その存在を肉眼で確認できるのは、宇宙の広大さと神秘を肌で感じさせてくれます。
  • みずがめ座 南の空に大きく広がる星座で、水を撒く若者の姿に描かれます。明るい星は少ないため見つけにくいかもしれませんが、豊かな水を恵む存在として古代から大切にされてきました。秋の夜空の深遠さを感じさせてくれる星座です。

遥かなる光の旅:デネブが語る宇宙の物語と地動説

9月の石垣島の夜空には、夏の代表的な一等星が西の空に傾きながらも、なおも凛と輝いています。こと座のベガ、わし座のアルタイル、そして白鳥座のデネブ。これら3つの星は「夏の大三角」を形作り、季節の移ろいを告げる目印でもあります。一方、東の空には秋の星々がゆっくりと顔をのぞかせ、夜空は夏と秋が交差する幻想的な表情を見せてくれます。

その中でも、デネブはひときわロマンに満ちた星です。地球からの距離は、なんとおよそ1,400光年。つまり、あなたが今見上げているその白い輝きは、1,400年前──まだ日本が飛鳥時代だった頃に、デネブから放たれた光なのです。聖徳太子が活躍していた時代に放たれた光が、今ようやく石垣島の空に届いているという事実。その壮大な時間の旅路を思うと、ただただ言葉を失うばかりです。

私たちが見ている星々の姿は、すべて「過去」の光。宇宙とは、時間を遡る旅そのものなのです。

このような宇宙のスケールを思い描くとき、思い出されるのは、かつて天動説が常識だった時代のこと。人間は長い間、地球こそが宇宙の中心だと信じて疑いませんでした。宗教的にも、神が創った世界の中心に人間がいるという考えが広く受け入れられていたのです。地球が中心であり、すべての天体が地球の周りを回っているという考えは、信仰と結びついていたために、疑うことさえ許されない時代がありました。

しかし、そんな常識を覆すように、コペルニクスが「地動説」を唱え、ガリレオ・ガリレイがそれを観測で支持しました。地球もまた他の天体と同じく、太陽の周囲を回っている──人間は宇宙の中心ではないという事実は、多くの人々の世界観や宗教観を揺るがせました。実際、ガリレオはその主張ゆえに異端とされ、宗教裁判にかけられたのです。

それでも真実は揺らがない。広大な宇宙の中で、私たちの地球はただのひとつの小さな星にすぎません。そしてその小さな星の上で、私たちは一瞬という「今」を生きている。

1,400年の時を超えて届くデネブの光を見つめながら、あなたは気づくかもしれません。この無限の宇宙の中で、「自分という存在」がどれほど儚く、そして同時に、どれほど奇跡的なものであるかということに。

流れ星の丘で、この星々の瞬きを感じながら、あなたの心の奥に広がる宇宙と時の旅を、ぜひ体験してみてください。

2025年9月 石垣島 月影響カレンダー

星空観測において、月明かりの有無は非常に重要な要素です。月が明るいと、残念ながら星々の輝きは薄れてしまいます。また、月の出入り時刻も日によって異なりますので、以下に9月の月齢カレンダーを作成しました。ツアー中の21時から22時の時間帯における月の影響を◎、○、△で表記しています。

日付 ツアー中の月の影響 (21-22時) 月齢 月齢イラスト 月の出時刻 月の入時刻 備考
2025/09/01 ○(少し) 8.9 🌓 14:11
2025/09/02 △(大) 9.9 🌔 15:05 00:37
2025/09/03 △(大) 10.9 🌔 15:56 01:32
2025/09/04 △(大) 11.9 🌔 16:43 02:31
2025/09/05 △(大) 12.9 🌔 17:26 03:32
2025/09/06 △(大) 13.9 🌔 18:05 04:34
2025/09/07 △(大) 14.9 🌕 18:41 05:36 満月
2025/09/08 △(大) 15.9 🌕 19:17 06:37
2025/09/09 △(大) 16.9 🌕 19:52 07:39
2025/09/10 △(大) 17.9 🌕 20:29 08:42
2025/09/11 △(大) 18.9 🌖 21:10 09:47
2025/09/12 ◎(なし) 19.9 🌖 21:56 10:54
2025/09/13 ◎(なし) 20.9 🌖 22:48 12:03
2025/09/14 ◎(なし) 21.9 🌖 23:46 13:10
2025/09/15 ◎(なし) 22.9 🌖 14:13
2025/09/16 ◎(なし) 23.9 🌗 00:49 15:09 下弦の月
2025/09/17 ◎(なし) 24.9 🌗 01:53 15:58
2025/09/18 ◎(なし) 25.9 🌗 02:56 16:40
2025/09/19 ◎(なし) 26.9 🌗 03:56 17:16
2025/09/20 ◎(なし) 27.9 🌘 04:53 17:49
2025/09/21 ◎(なし) 28.9 🌘 05:47 18:19
2025/09/22 ◎(なし) 0.3 🌑 06:40 18:49 新月
2025/09/23 ◎(なし) 1.3 🌑 07:32 19:19 9月うお座流星群 極大頃
2025/09/24 ◎(なし) 2.3 🌑 08:24 19:50
2025/09/25 ○(少し) 3.3 🌒 09:17 20:23
2025/09/26 ○(少し) 4.3 🌒 10:11 21:00
2025/09/27 ○(少し) 5.3 🌓 11:06 21:42
2025/09/28 ○(少し) 6.3 🌓 12:01 22:29
2025/09/29 ○(少し) 7.3 🌓 12:55 23:20
2025/09/30 ○(少し) 8.3 🌓 13:46

石垣島 月影響カレンダー要約(ツアー時間:21時~22時)

上記のカレンダーを要約すると、9月の「流れ星の丘」での星空ツアー(21時~22時)における月の影響は以下のようになります。

月の影響 期間
◎(なし) 9月12日~9月24日
○(少し) 9月1日、9月25日~9月30日
△(大) 9月2日~9月14日

※この要約は、ツアー時間の21時から22時の観測に限定されます。

△の日でも、月齢5から12の間は、夜中から明け方にかけて月の入りがずれていくため、月が沈んだ後の時間帯を狙えば、◎の条件で素晴らしい星空観測が可能です。例えば、月が沈んだ後の深夜帯や、明け方の空など、月の影響が少ない時間帯に観測することで、さらに多くの星々や天の川を堪能できます。

石垣島で星空観測におすすめの場所

せっかく石垣島に来たなら、最高の星空を観測したいですよね。しかし、石垣島ならどこでも同じように星が見えるわけではありません。以下に、観測地ごとの特徴をご紹介します。

  • 石垣島市内周辺(天文台やバンナ公園、空港周辺):✖️ 残念ながら、市街地や空港の明かりによる光害が非常に強いため、肉眼で天の川をはっきりと見るのはほとんど不可能です。天文台やバンナ公園は日中の観光には良い場所ですが、星空観測には適していません。
  • 川平湾周辺や玉取崎周辺:○ 市内よりは暗いですが、リゾートホテルが多数点在しているため、その明かりが光害となり、天の川は薄くしか見えません。もちろん、市内に比べれば星は見えますが、石垣島本来の星空の美しさを体験するには物足りないでしょう。
  • 平久保半島周辺:◎ 私たちが運営する「流れ星の丘」があるこのエリアは、石垣島で最も星空観測に適した場所です。
    • ほとんどが国立公園=星空保護区に指定されており、人工の光が極端に制限されています。
    • リゾートホテルがほとんどなく、街灯もほとんどありません。
    • 市街地からは直線距離で、なんと波照間島と同じくらい離れており、光害の影響をほとんど受けません。
    • 夜の暗さの数値は世界的に見てもトップレベル。息を呑むような満天の星空と、太くて大きな天の川のアーチを肉眼で体験することができます。

平久保半島で星空を見るなら「流れ星の丘」の星空ツアーがおすすめ!

平久保半島は星空観測に最適な場所ですが、その中でも「流れ星の丘」は、最高の星空体験を提供するために徹底的にこだわり抜いた場所です。

  • 特別な立地: 平久保半島の中でも、特に星空が綺麗に見える条件を満たした場所に位置しています。周囲に人工の光を遮るものがなく、360度見渡せる小高い丘になっています。
  • 人工の光ゼロ: 星空を見るために、観測エリアでは人工の光を完全に排除しています。これにより、肉眼で微かな星の光まで捉えることができます。
  • 快適な設備: 星空観測を快適にするためのリクライニングチェアやハンモック、そして肉眼では捉えきれない星々の姿を拡大して見ることができる双眼鏡や望遠鏡などの設備も充実しています。
  • 経験豊富な専門ガイド: 地元出身の私、新垣信成をはじめ、経験豊富な専門の星空ガイドが、ただ星を眺めるだけでなく、星空の物語や宇宙の不思議を分かりやすく解説し、お客様一人ひとりの心に残る体験を演出します。

私たちは、単に星を見せるだけでなく、石垣島の豊かな自然と共にある星空文化を伝え、お客様にとって忘れられない旅の思い出を作るお手伝いをしたいと考えています。ぜひ、流れ星の丘で、あなただけの特別な星空体験をしてみませんか?

以下のように、「星空観察は人の精神的な癒し」という視点を軸に再構成しました。忙しい日常から離れ、星空がもたらす内面的な回復や静かな安らぎに焦点を当てています。

星空観察は、心の癒し。秋夜の石垣島を体験してみませんか?

毎日の慌ただしさや、終わりのない情報に追われる現代。私たちはつい、自分の気持ちに耳を傾けることを忘れてしまいがちです。そんな時、石垣島の満天の星空は、静かに語りかけてくれます。「ちょっと立ち止まって、深呼吸してみて」と。

夜空を見上げるというシンプルな行為の中に、人の心を整える力があります。無数の星々が瞬く空の下では、悩みも焦りも少しだけ遠ざかっていくような、不思議な感覚に包まれるのです。星々の静かな輝きは、誰かに何かを伝えようとするでもなく、ただそこにある。その揺るぎない存在に触れたとき、私たちの心もまた、静かに落ち着きを取り戻していきます。

石垣島の夜空は、人工の光に邪魔されることなく、ありのままの宇宙を見せてくれます。その美しさは、言葉では言い尽くせないほど。そしてそれは単なる絶景ではなく、日常に疲れた心にそっと寄り添ってくれる、ひとつの“癒し”なのです。

人によっては、流れ星にそっと願いをかけたり、誰かと静かに空を見上げたり。ただただ黙って星を眺めるだけでもいい。夜空の下にいると、不思議と「今ここにいる自分」が、少しだけ愛おしく思えてきます。

今年の秋は、石垣島の星空のもとで、心と身体をゆっくりとほぐしてみませんか? きっと、夜空があなたの心に、優しい光をともしてくれるはずです。皆さまのお越しを、心よりお待ちしております。

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